東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18

うれしそうに微笑むセイさんといると、叶星はよく亡き祖母を思い出す。

祖母はごく普通の人で、セイさんのようになんでもできるスーパーウーマンではなかったが、何があっても動じない肝っ玉の太さや懐の深さとか、一緒にいるだけで心から安心できるところは本当によく似ていると思う。

セイさんには家族がいない。結婚はしていたが、ご主人は十年前に亡くなったということだ。それでも天涯孤独の身の上とは言わせない凛とした強さがセイさんにはある。

セイさんと同じ歳になったとき、セイさんのように強くありたい。そんなふうに、叶星は心からセイさんのことを尊敬していた。


「大毅坊っちゃんから電話はないのかい?」
お花を活けながら雑談もした。

「はい、ないです」

いつ何時連絡があってもわかるように、スマートホンはバイブ機能をオンにしてエプロンのポケットに入っている。