東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18

「そうなんですね……」

なんか、ものすごく意外。と、思ったことがそのまま顔に出ていたのだろう。

「そんなに意外? 私だってトイレ掃除も床磨きもひと通りやったわよ? 同じ仕事でも夏と冬とでは違うことも、少しくらいはわかっているつもりよ。人にお願いをするのに知らないといけないと思ってね」

叶星は何かを言おうとして口を開きかけたが、何をどう言っていいかわからなかった。
立派な心がけですね、などと上から目線な物言いができるわけはないし、さすがですというのも変だろう。

ただ、夫人はこの家の奥さまに相応しい素晴らしい人だということだけは納得できた。
ぐぅの音も出ないほどに――。

そう思って俯いた。

「あなた、もしかして私は生まれついてのお嬢さまかなにかと思っている?」

「え? ――あの、違うん、ですか?」

クスクスと笑ったあと、夫人はため息をついて語り始めた。。