東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18

彼が怒るのは当然なのかもしれないが、理由の半分以上は自分の責任ではないかと思った。

――姿を消すことになった理由の全てを、私は夫人に押し付けた。
全部夫人が悪い。私は悪くない。
心のどこかで、彼にそう思ってほしかったのかもしれない。

彼と離れたくなければそう言えばよかったのに。
なにもしないで、ただ逃げた。こうなることを予想できなかった自分の浅はかさが情けない。

その思いからか、叶星が頭を下げる角度は自然と深くなった。


「とりあえず、座りなさいな」
精神的に疲れているのだろう。夫人の力のない声に、申し訳なさが増してくる。

「――はい」

「草むしり大変だったでしょう? あれは腰が疲れるのよね」

「え?」
叶星は思わず顔を上げた。
「やったことが、あるん、ですか? 草むしり」

東堂夫人はクスッと笑う。
「もちろん、あるわよ。いまでも、ほんの時々だけれどやってみるわ」