東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18

彼女が会社を去ったあとのことは、黒崎は何も知らなかった。

「そういうことみたいですよ。大毅さんから聞きました。手紙を残して消えたって」

驚きを隠せないまま黒崎は左右に首を振る。
「知らなかった。そんなことになっていたとは……」

あの時感じていた嫌な予感は、結局当たっていたということだ。
知っていれば大毅の行動にもっと不審を抱くことができただろに。そう思うと残念でならない。

肩を落とす黒崎をちらりと見た東堂氏は、コーヒーをひと口含むと、大きく息を吐いて少し怠そうに口を開いた。

「大毅が本気で彼女を見つけ出そうと思えば、そう難しいことじゃない。だが、それでは根本解決にはならない。小百合がそこまでしたということに、大毅が腹を立てたんだろうね。彼女を誘拐したのか、と言っていたそうだ」