ただ違う点があるすればと付け加えた。
「人の人生を勝手にしようっていうなら、俺も勝手にさせてもらう、と。まあ、そんな感じでしたね」
ふいに駿が口を開いた。
「『兎う堂』はお前が継げ。先に言っておくけど、僕は嫌だからね」
駿は大毅の五歳下の二十八歳。
大学卒業後、『兎う堂』に就職しているが、経営には興味がない。彼がこだわっているのは研究のほうだ。
いまはドイツの研究所にいて、今回はあくまでも出張による一時帰国。跡継ぎのことで揉めに来たわけではないとばかりに憮然とする。
兄弟というだけあって大毅と駿はよく似ているが、駿のほうが顔立ちは柔らかい。まだ二十代ということもあってか俯いていると、拗ねた子供のようにも見えた。
「というわけだ。まずは食べよう」
東堂氏の声と一緒にメインメニューが運ばれてきた。
「人の人生を勝手にしようっていうなら、俺も勝手にさせてもらう、と。まあ、そんな感じでしたね」
ふいに駿が口を開いた。
「『兎う堂』はお前が継げ。先に言っておくけど、僕は嫌だからね」
駿は大毅の五歳下の二十八歳。
大学卒業後、『兎う堂』に就職しているが、経営には興味がない。彼がこだわっているのは研究のほうだ。
いまはドイツの研究所にいて、今回はあくまでも出張による一時帰国。跡継ぎのことで揉めに来たわけではないとばかりに憮然とする。
兄弟というだけあって大毅と駿はよく似ているが、駿のほうが顔立ちは柔らかい。まだ二十代ということもあってか俯いていると、拗ねた子供のようにも見えた。
「というわけだ。まずは食べよう」
東堂氏の声と一緒にメインメニューが運ばれてきた。



