東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18

と、そこに「おはようございます」と駿が現れてペコリと頭を下げた。どこかしら不貞腐れたような様子にも見える。


氷室仁が来たのは、それから間もなくのことだった。

「失礼します」

「ああ、わざわざ悪いね。さあどうぞ、ちょうどお昼だ。まずは食事でもしよう」

「すみません、ありがとうございます」

駿が仁に「どうも」と頭をさげる。
本来なら久々の駿の帰国を祝う程に仲は良いが、集まった事情が事情なので、ふたりとも声には出さない。

テーブルを囲むのは東堂氏、大毅の弟の駿。そして黒崎に氷室仁という男ばかり四人。
これでスーツを着ていれば仕事上の会議のような堅苦しい雰囲気が漂った。


「で、黒崎、君のところには何時連絡があった?」

「十時半ごろです。公衆電話からでした。俺は失踪することにした。あとは頼むと」

東堂氏は次に仁に聞いたが、彼のところへの電話も大差なかったらしい。