東堂邸に着いたのは昼前の十一時。 玄関前には車が止まっていて、運転手がオーストリッチの羽ばたきでボディの埃を取っていた。 今まさに出掛けるところだったらしい。 夫人が玄関から出て来た。 「おはようございます」 「あぁ、来たのね」 夫人はため息をつきながら、半ば投げやりに言った。 「話は中でどうぞ、主人も駿もいるわ」 どんな用事があって来たのかわかっているのだろう。