東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18

十時少し前であることを確認して、この時間ならば母はまだ起きているだろうと考えた。

『お帰りなさい。お見合いの日時が決まったわ』

母からそんなメッセージが届いたのは今日の夕方。
そのまま返信はしていない。


車が邸の正面に止まると、玄関の灯りが灯る。

リビングのカーテンから灯りが漏れているのを見届けながら、大毅は車を降りた。
「お帰りなさいませ」

出迎えたのは家政婦のセイだ。
「ただいま」

「何かご用は?」
「いや。朝食は七時で頼む」

「わかりました」
「起きてる?」

「はい。奥さまはリビングにいらっしゃいます」

大毅はそのままリビングに向かった。

扉越しに聞こえるのはピアノの旋律。開けると大毅の母、東堂夫人が振り返った。

クラシックを聞きながら雑誌を見ていたらしい。手には雑誌がある。

「あら、お帰りなさい」

「ただいま」

「食事は済んだの?」