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いくら気が短いとはいえ、いきなり姿を消すのは不自然ではないか。
そう考えながら大毅は眉間を顰めた。
――何かある。
仁も言っていたが、たったあれだけの記事で相手を突き止められるはずがない。
変だといえは、その今回の見合いも変である。
縁談ならこれまでもあったし、その度に断ってきた。母も無理を強いるわけでもなく『あ、そう』と軽く受け流してきた。
いったい何故、今回に限り強行する気になったのか。
チラつく母の影。
それが気のせいなのか考え過ぎなのか。まずは確かめなければならない。
大毅を載せた車は、門の前で静かに止まった。
警備員が門を開けるのを待つ間に、大毅は運転手に声をかける。
「今日はこのまま泊まる」
「わかりました」
腕を伸ばし、チラリと時計の針を見る。



