東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18

「大丈夫よ、社内報だもの。副社長はこういう時を利用して色々な社員と直接話をする機会を得たいって仰る方だもの」

「そ、そうは言っても」

「大丈夫、はい。叶星ちゃんなら出来る。ごめん! 実は私が行く予定だったんだけど、その時間お客様が来ることになっちゃって。頼める人が他にいないのよ」

そこまで言われて断れるはずもない。

「……はい。わかりました」

「質問事項はここに書いてあるわ。これを聞くだけだもの、簡単でしょ?」

「……はい」
――そうですね……。


そして。
早いような遅いような時間は流れて、現在、午後二時四十五分。
これで何度目か。叶星はジッと時計を見ていた。

大きく息を吐いてワコさんを振り返る。

「あのぉ、ワコさん。何分前くらいに行ったらいいでしょう?」

ワコさんは時計を確認して、「うん、そうね。五分前に出ればいいと思うわ」と言う。

というわけで五十五分ピッタリに叶星は席を立った。

「行ってきます……」
「はーい、いってらっしゃーい」