東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18




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その少し前、叶星は新しい部屋で呆然としていた。

――広いし、やたら豪華だし。

その部屋は、全体が明るくて気持ちが落ち着くようなオフホワイトに包まれている。
アイボリーのソファ。カーテンも壁に馴染むベージュで、薄茶というか見方によってはゴールドにも見えるような百合の花の柄が織り込まれている。

リビングは叶星のマンションの倍以上あるだろう、
真ん中にフカフカのラグが敷いてあって、その上には大きなL字型のソファ。

ファブリックのソファに触れてみると、それは頬ずりしたくなるような肌触りの良さで、感動的だ。

そしてそのソファに囲まれるように猫脚の木のテーブルがある。大きくはないけれど、繋ぎ目がない重厚感のあるテーブルである。

キッチンだけは、今までと比べて小さい。対面のミニキッチンには仕切りになっている棚に、カウンターがついていて背の高い椅子が二つ並んでいる。