東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18

「あいつはいつ来たんだ?」

「先週の金曜日」

「それで? なんて言ってた?」

「カンカンでしたね。いじらしく耐える女みたいじゃないですか。私そういうのイヤなんです。別に副社長と結婚したいなんて思ってないのに!って」
言いながら仁は、何がおかしいのか吹き出した。

「すごい剣幕で、あっはっは」

「ふん、生意気な奴め」

「お、おもしろい子ですね。あんなにおもしろい子だったんだなぁ」
しまいに仁はゲラゲラと笑いだし、止まらない。

「せっかくの、先輩の初恋なのにね」

どうやらそれが面白くてしかたがないらしい。


「ったく、いじらしく耐えやがれ。お前も笑い過ぎだ」

「で、どうするんですか? 見合い、するんですか?」

「するわけねーだろ。まぁでも今日は家に帰ってみる。何かわかるだろ」

それが何を意味するのか、仁にも薄々わかっている。

「やっぱり絡んでいるんですかね」