どうしてこんなことになってしまったのかと、やるせない苛立ちに唇を噛んだ。

「でもなぁ、君がそれでよくても、大毅さんがそれで納得するかなぁ」

「納得できなくても、納得してもらうしかないですよ」

「ご立腹だねぇ」
クスクス笑いながら、仁は叶星に薄切りのズッキーニや茄子やトマトがグリルされたおつまみを差し出した。


――悔しい。悔しくてたまらない。

あんな風に言われなくたって、いつか別れるつもりでいたのに。

怒りに任せて叶星はおつまみを思い切り頬張った。

どうしてこんなに腹が立つのだろう。

もっと辛抱強くて、穏やかな性格だったはずなのに。

全ては東堂大毅のせいだと思った。
彼に会わなければこんなことにはならなかった。