「俺はまだ一年生でね、いまはこんなだけど、その頃は小さかった。
何がきっかけだったか六年生に絡まれて数人に囲まれたんだ。
小学生の頃って六年生と一年生じゃ全然体格も違うだろ? しかも相手は大勢だ。取っ組み合いの喧嘩になったら勝てるわけがないんだけど負けず嫌いだったんでね。
でもさすがに力尽きてきて、もう駄目かと思った時、『お前らひとり相手にヒキョウもの!』って叫びながら飛び込んで来たのが大毅さんだった。
でも、大毅さんもまだ四年生だし、ひとりだし、やっぱり劣勢なのは変わらなくてね。そのうち俺を探しに来てくれた友達が加わって俺たちは三人になった。相手はそれでもまだ倍はいたな、結局どうなったと思う?」
「え? それは勝てないですよね」
「勝ったんだよ」
「マジですか?」
「三人とも血は出るし痣だらけだし酷い有り様だったけど、フラフラになりながら俺たちは勝った」
「すごーい」
「あの時、俺たちに負けた上級生たちのうちの大半は、いまどこでどうしているかわからない。あの頃はそこそこ御曹司だったんだけどな」



