東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18

それに比べて今いるこの部屋は、ひとり暮らしの若い女性にしては贅沢だということが、夫人にはわかるだろうか。
夫人の目にはこの部屋がどんなふうに見えるのだろう。

彼の母親なのだから五十代にはなるのだろうが、夫人はとても若く見える。
毛先がカールしている長い髪はツヤツヤだし、肌のたるみみたいなものも全くない。

でも、そういうことはお金をかければなんとかなる。それは常々エステサロンで働く桃花が断言しているのだからそうなのだろう。

そうではなくて、お金をかけてもどうにもならないものがある。
たとえば目の前の夫人。

こうしてただ座っているだけなのに普通の同じ年ごろの女性とは全然違う。
佇まい、仕草、姿勢、どこがどうとは言葉にできないけれど、例えば夫人がここでこのままうたた寝をしても、下町のおばちゃんではなくて、東堂夫人なのだ。

それは自分には到底及ばないもの。