東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18

仔猫がいれば、彼がいない週末も寂しくはないだろう。

彼がいなくても。
そう思った途端、叶星の胸ははっきりとした寂寥感に疼くのだった。


このまま部屋にいても余計ことを考えてしまうだけ。
予約した時間までは十分あるけれど、叶星は早めにマンションを出た。

来月七月七日は彼の誕生日だ。
――彼に何かプレゼントを買おう。

七夕生まれだなんて、誕生日まで素敵でなんだか憎らしい。

やっぱり身に着けるものがいいなと考えて、結局ネクタイを買った。
紺色のよくよく見ると複雑に織られているシルクのネクタイは、彼が最近着ている夏物のスーツによく似合うはず。

満足しながら来たエステサロン。
待合室で雑誌を広げた叶星の目に、ふと、ある記事が映った。

"涼花流次期家元兼モデルの涼子 御曹司と結婚か"

涼花流といえば、叶星が先月行ってみた華道のワークショップがその流派だったことを思い出した。