「これ、あげる。ここは俺の店だ。困ったことがあったら、この名刺を持って会いにおいで、もしいなければバーテンに俺に話があると伝えてくれればいいから」
「はい。ありがとうございます」
「じゃあ、あと少しだね。仕事がんばって」
「はい。精一杯がんばります」
廊下を進む氷室仁が、営業部の社員と立ち話をはじめたのを見届けて、叶星もその場を離れた。
――ついに。氷室さんの耳にまで届いてしまった。
いま、このフロアのあちらこちらの目が、いまも自分の様子を伺っているのだろう。
そう思うと、叶星は恥ずかしさでいたたまれなくなった。
リサーチに協力。
聞かれたらそう答えようと思ったけれど、果たして聞かれることはあるのだろうか。
いまのところ不気味なほど、誰もなにも聞いてはこない。
「はい。ありがとうございます」
「じゃあ、あと少しだね。仕事がんばって」
「はい。精一杯がんばります」
廊下を進む氷室仁が、営業部の社員と立ち話をはじめたのを見届けて、叶星もその場を離れた。
――ついに。氷室さんの耳にまで届いてしまった。
いま、このフロアのあちらこちらの目が、いまも自分の様子を伺っているのだろう。
そう思うと、叶星は恥ずかしさでいたたまれなくなった。
リサーチに協力。
聞かれたらそう答えようと思ったけれど、果たして聞かれることはあるのだろうか。
いまのところ不気味なほど、誰もなにも聞いてはこない。



