彼が、副社長と言わずに大毅さんと言ったことに、責めているわけじゃないと言われているような気がした。
「はい……」
「わかった」
叶星は申し訳なさと羞恥心でいっぱいになった。
いまの聞き方からして、大毅本人から聞いた訳ではないのだろうと思った。恐らく社内中に噂は広がっていて、ついには『ヒムロス』の耳にまで入ったということなのだろうと。
彼が席まで迎えに来たりするからだという不満はあるが、それはそれ。
派遣先で恋愛沙汰など褒められることではない。
「すみません」と肩を落として俯く叶星の上から、仁の明るい笑い声が落ちた。
「謝らなくていいんだよ。別に責めてはいない」
「――でも」
「なにか聞かれたら、副社長から個人的に頼まれたリサーチに協力しているって言ってくれるかな」
「はい」
優しい微笑みを浮かべた仁は、胸ポケットから名刺を取り出してファイルの上に置いた。
「はい……」
「わかった」
叶星は申し訳なさと羞恥心でいっぱいになった。
いまの聞き方からして、大毅本人から聞いた訳ではないのだろうと思った。恐らく社内中に噂は広がっていて、ついには『ヒムロス』の耳にまで入ったということなのだろうと。
彼が席まで迎えに来たりするからだという不満はあるが、それはそれ。
派遣先で恋愛沙汰など褒められることではない。
「すみません」と肩を落として俯く叶星の上から、仁の明るい笑い声が落ちた。
「謝らなくていいんだよ。別に責めてはいない」
「――でも」
「なにか聞かれたら、副社長から個人的に頼まれたリサーチに協力しているって言ってくれるかな」
「はい」
優しい微笑みを浮かべた仁は、胸ポケットから名刺を取り出してファイルの上に置いた。



