会議室を出て彼女がいるフロアの廊下で待った。
総務部長に声をかけられ、振り返った彼女が慌てた様子で小走りにやってくる。
「お疲れさまです。いらしてたんですね」
「お疲れ」
挨拶を済ませただけで、仁はいきなり質問した。
「唐突でごめんね。ここを見ながら答えて」
差し出されたファイルは、叶星の雇用契約に関するファイルだ。
「聞きたいことはここに書かれていることじゃないんだ。ひとつだけ教えて、君のためにも重要なことだから正直に」
「はい?」
嫌な予感が、叶星の喉でゴクリと音を立てる。
今ふたりの近くに人はいない。
それなのにそう言うからには彼の発言が、ガラスの向こう側にいる社員たちの目を意識しているのだということが、叶星にもわかる。
「大毅さんと、ふたりきりで会っているの?」
ハッとしたように顔を上げた叶星は、一瞬だけ仁の目を見つめてまた目を落とした。
――大毅さん?
総務部長に声をかけられ、振り返った彼女が慌てた様子で小走りにやってくる。
「お疲れさまです。いらしてたんですね」
「お疲れ」
挨拶を済ませただけで、仁はいきなり質問した。
「唐突でごめんね。ここを見ながら答えて」
差し出されたファイルは、叶星の雇用契約に関するファイルだ。
「聞きたいことはここに書かれていることじゃないんだ。ひとつだけ教えて、君のためにも重要なことだから正直に」
「はい?」
嫌な予感が、叶星の喉でゴクリと音を立てる。
今ふたりの近くに人はいない。
それなのにそう言うからには彼の発言が、ガラスの向こう側にいる社員たちの目を意識しているのだということが、叶星にもわかる。
「大毅さんと、ふたりきりで会っているの?」
ハッとしたように顔を上げた叶星は、一瞬だけ仁の目を見つめてまた目を落とした。
――大毅さん?



