東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18

「こんにちは氷室さま。ご案内します」
「ああ、ありがとう」

勝手知ったる他人のオフィスだが、お決まりのように案内されて大毅の執務室へ行く。

「氷室さまがお見えです」

どうぞと促されて入ると、大毅は既に応接用のソファに腰を下ろしていた。

「今日はひとりなのか?」
「はい。たまには担当抜きで話を聞かないと」

「ふん、いい心がけだな」と言う彼は、いつになく覇気が感じられない。

「どうかしました?」
「ん?」

「なんだか疲れているように見える」

「別に疲れてはいないさ。明日からヨーロッパへ出張だ」

そう言うなり途端にうんざりしたように眉をひそめて、彼は横を向いた。

「なんだか行きたくなさそうですね」
「まぁな」

「そういえばセンパイ、お見合いするんですか?」

大毅はギロリと目を細めて仁を睨む。
「どこから聞いた」

「うちの母親が"そこ"に通ってるもんで」