東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18


ため息をつきながらレインコートを脱いで袋にしまい込み、エレベーターの前に立っていると、チンと音を立ててエレベーターが開いた。

地下の駐車場から上がってきた人の足元が見える。

「おはようございます」

隣にいる社員の声に顔を上げると。

――あっ!

それは彼。東堂副社長。


叶星も慌てて頭を下げて、中に入った。

ところが。

「――え?」

叶星以外は誰もエレベーターに乗らず、扉は閉まっていく。


「え、ええ? あの」

「おはよう」

「あ、お、おはよう、ございますって、違うでしょ! なんですか今の。どう考えても……」

どう考えても、ふたりきりにしようと忖度された。

金曜日のことが、早くも社内中の噂になっているってことなんじゃ?