「会議が終わったら、迎えに行くから」 「――副社長?」 それはふいに訪れた、甘くて切ない人生三度目のキス。 「続きは今夜な」 「副社長?」 「ん?」 「副社長は、どうしてここに来たんですか?」 「うん……それは、厄介な。そう、厄介な質問だな」 「やっかい?」 「ああ。だから、今夜ふたりで考えよう」 そう言って、またキスをした。 人生四度目の、あとを引くような、優しいキスを。