東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18

こんな雷も全然、平気なんでしょう?

ガラガラピッシャーン

また鳴り響いた音にビクッと体が震えて、思わず涙が溢れた。

――助けて。
助けて、副社長。

カチャ

「叶星?」

――え?

「叶星? いるんだろう?」
「副社長?」

足音にハッとして顔を上げると、薄明かりの中で大毅の姿が見えた。

「大丈夫か?」
膝を折った彼が、叶星の肩に手をかける。

「……ダメです」

アハハと笑いながら、彼は叶星の背中に両腕を回す。

「よしよし、大丈夫だ。雷が嫌いだって言っていたもんな。どうしたかと思って見に来てみたら、しょうがないなぁ、子供か」

ほら立ってと言われて、彼に支えられながら立ち上がった。

子供か、なんて言われたせいだかもしれない。
叶星は急に、弱くて心がか細い子供になったような気がした。

彼にすがりたくて、どうしようもない。
行かないで、もう少しこのまま。思わずそう祈った。