――助けて、副社長。
そうしたら、キスしたことも許してあげるから。
今日は金曜日ですよ?
誘いに来てくれないんですか? もうすぐ定時ですよ?
本気ではないとわかっている。
もし本気だとしたら、それは私を軽く見ているからだと叶星は思っている。
キスなんかして。
その程度の女だと思って気楽に誘っているか、女として見ていないかのどちらかだろう。
両手で耳を覆い、しゃがみ込んでいると、わかっているのに悲しさが。切なさが込み上げる。
どうして副社長のことなんて思い浮かべてしまうのだろう。
面倒臭くて。
俺様で、嫌な奴なのに。
副社長のキスは、叶星にとって人生二度目のキスだった。
初めてのキスは大学生のとき。
同級生の彼とは友達以上恋人未満の仲だった。
飲み会の後で酔っていて、アパートまで送ってもらって。
『ありがとう。バイバイ』って手を振ったら、彼はその手を握って引き寄せた。
そうしたら、キスしたことも許してあげるから。
今日は金曜日ですよ?
誘いに来てくれないんですか? もうすぐ定時ですよ?
本気ではないとわかっている。
もし本気だとしたら、それは私を軽く見ているからだと叶星は思っている。
キスなんかして。
その程度の女だと思って気楽に誘っているか、女として見ていないかのどちらかだろう。
両手で耳を覆い、しゃがみ込んでいると、わかっているのに悲しさが。切なさが込み上げる。
どうして副社長のことなんて思い浮かべてしまうのだろう。
面倒臭くて。
俺様で、嫌な奴なのに。
副社長のキスは、叶星にとって人生二度目のキスだった。
初めてのキスは大学生のとき。
同級生の彼とは友達以上恋人未満の仲だった。
飲み会の後で酔っていて、アパートまで送ってもらって。
『ありがとう。バイバイ』って手を振ったら、彼はその手を握って引き寄せた。



