東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18

今日は金曜日である。
『へえ。じゃあ金曜、早く帰れそうだから飲みにでも行くか?』
彼はそう言った。

寿司屋で、近辺にある美味しい店の話になった時だ。
叶星のマンションの近くに美味しい焼き鳥屋がある。

『さすがにひとりだと店には入りづらいので、お持ち帰りでしか食べた事がないんですけどね、香ばしくてとっても美味しいんですよ』

すると、彼がそう言ったのだ。

でも、それには反射的に『イヤです』と答えた。

『おい。速攻拒否とはどういうことだ』

『そういうことですよ』

『ったくお前は、本当に生意気だな』

――クスッ。
ほんと、生意気な言い草。

本当は行きたいと思ったし、誘ってくれてうれしかった。

初めての寿司屋で隠せなかった緊張も、副社長が忘れさせてくれた。
彼のゆとりある対応のお陰で、心から安心して食べたいものも飲みたいものも飲んで、