それに答えて、『ほんとに?! 絶対ですよ!』と、そこまではご機嫌だった。
でもその後。
『俺より猫がいいのか』
そう言ってふいに抱き寄せられて、
『ふざけた奴だ』
気がついたら唇を塞がれていた。
咄嗟のことに腰を抜かしそうになり、それでも突き飛ばしてマンションの中に駆け込んだけれど。
――あれは。夢じゃないんだよなぁ。
ハァ……。
そんなに飲んだわけでもないのに、酔っていたんだ。
日本酒が甘くて美味しくて、つい。
見た目は変わらなかったけど、副社長はかなり酔っていたんだ。
だって、おかしいもの。
キスする理由がないもの。
酔いにまかせた気の迷いとしか考えられない。わかっているけれど。
でも。
どうして?
どうしてキスなんか……。
胸の奥のほうから熱がこみ上げてくる。いまでも唇に彼の温もりが残っているような錯覚を覚えた。
――キスまで上手だなんて、ズルい。
でもその後。
『俺より猫がいいのか』
そう言ってふいに抱き寄せられて、
『ふざけた奴だ』
気がついたら唇を塞がれていた。
咄嗟のことに腰を抜かしそうになり、それでも突き飛ばしてマンションの中に駆け込んだけれど。
――あれは。夢じゃないんだよなぁ。
ハァ……。
そんなに飲んだわけでもないのに、酔っていたんだ。
日本酒が甘くて美味しくて、つい。
見た目は変わらなかったけど、副社長はかなり酔っていたんだ。
だって、おかしいもの。
キスする理由がないもの。
酔いにまかせた気の迷いとしか考えられない。わかっているけれど。
でも。
どうして?
どうしてキスなんか……。
胸の奥のほうから熱がこみ上げてくる。いまでも唇に彼の温もりが残っているような錯覚を覚えた。
――キスまで上手だなんて、ズルい。



