東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18

以前スポーツクラブの話をした時、彼は言っていた。

ランニングなら空気が綺麗な朝の風にあたりながら外を走るほうが気持ちいいし、他人の汗がついたマシーンなんて触りたくないと。

個室利用の高級パーソナルトレーニングジムや特殊なジムならわかる。
そこに行ってこそ得られるサービスがあるのなら。

でも、彼が行ったというスポーツクラブはそうではない。

どんなに想像しても、大勢の中に紛れて彼がマシーンを利用する図は、どうしても浮かばなかった。

一体どこのジムだと考えて思い出したのは、若いウェイター。パーティ会場にいた彼は、西ノ宮叶星の友人だと言っていた。確か彼はスポーツクラブのスタッフではなかったか。

黒崎はスマートホンを取り、名刺管理アプリを開いた。

そして、その他のフォルダーを開く。

――あった。
名刺にはスポーツクラブの名前。

『よろしかったら是非いらしてください。僕、そこでインストラクターしているんです』


――ここ? このスポーツクラブに彼は行ったのか?

彼女を追って……。