これで合ってるのか?
なにか違うような気もするが、大きく違ってはいないだろうと黒崎は頭を悩ませた。
『そう。夕べふたりは食事をしていたそうよ。あなた知ってる?』
――あっ。
「いえ、存じ上げませんでした」
『今後気にかけておいて。大毅とその女の子の関係についてというよりも、大毅が彼女をどう思っているかが知りたいの。また連絡するわ』
「はい。わかりました」
『それから大毅には、余計なことは言わないように。わかってるわね』
「はい。もちろんです」
夫人が電話を切る音に耳を澄ませた黒崎は、静かにスマートホンをデスクに置いて、ようやくホッとしたように深々と息を吐いた。
「はぁ」
背もたれに体を預け、頭に浮べたのは大毅の母、東堂夫人。
額に手をやり、なんて目敏いのだと恐怖した。



