東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18




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あくる日の朝。
すっきりと頭が冴えていることに満足して、黒崎は副社長の執務室前で立ち止まった。

このところ残業続きだったので、自分でも気づかぬうちに相当疲れが溜まっていたのだろう。
やはり休むべき時は休むに限る。

秘書課で確認したところによれば、昨日は副社長も残業をせずに帰ったという。
彼も少しは疲れが取れているだろうか。

だといいが。と思いながら、黒崎はノックをして扉を開けた。

「おはようございます」

「あぁ」

――あれ?
ずいぶん投げやりな返事だ。

普段の彼は、多少不機嫌でもおはようと答える。

「どうかなさいました?」

フッと顔をあげて「ん?」と聞き返す彼は、やはり不機嫌モード全開のようである。
眉はひそめているし、目つきも鋭い。

その不機嫌さを隠そうともせず、吐き捨てるように彼は「別に」と答えた。