東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18

「俺は辛口にするけど、いいのか?」

「あ、甘口でお願いします」

注文を済ませると、ホッとしたように彼女は息を吐いた。

「もしかして、こういう寿司屋ははじめてか?」

「そーです」
悪かったですねと言わんばかりに、頬を膨らませて睨む。

「それで悩んでいたわけか」

叶星は店の前で立ち止まり、一度はその先のレストランをチラリと見て、また戻ってきて立ち止まった。
その様子を見ながら、大毅は歩いてきたのである。

「もしかして、副社長のご自宅もこの辺なんですか?」

「いや?」
全然違う。こんなところに寄り道をする理由は何ひとつない。

「そうですか」

じゃあなぜここに? と言いたいのだろう。
彼女はちょっと怪訝そうに首を傾げる。

「君はこの辺なのか」

「はい。すぐそこです」

「へえ、いいところに住んでいるんだな」

「え? でも、別に広くはないし……」