東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18

両脇を後ろでとめた艶のある長い髪。左手で提げているのは、例のパーティがあったブランドの紙バッグ。

間違いない。西ノ宮叶星だ。

ハイヒールに負けることなく足を伸ばして歩く彼女は、すれ違う男の視線を惹いているようだ。

でも彼女はそれを嫌がるように、男たちを遠巻きにするように進む。

信号を待つ間、その後ろ姿を見つめがらふと気づいた。

派手さがないので気に留めたことはなかったが、シルエットといい質感といい彼女が身に付けているものは質の良い物だ。
どうみても量販店の物でもないしファストファッションの物でもないだろう。

ひとつの疑問が次の疑問を呼ぶ。

あのパーティには、友達の代わりに来たと言っていたが、それは本当なのか?

ランチタイムにOLがひとりで鰻を食べに来るのは普通なのか?
ただ単に好きだからなのか?



「寿司か」

大げさなほど驚いて、彼女は目を大きく見開いている。