東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18

でもガミガミといつまでもは、言っていない。
『副社長はずるい』と、ほんのちょっとだけ文句を言っただけである。

その後突っかかってきたのは彼のほうで、むしろいつまでも文句を言われた側じゃないかと思うが、そんなことを言ったら百倍で打ち負かされるだろう。

「もぉー」

――面倒くさい!

「あ、いま、面倒くさいって思っただろう」

「思いませんよ」

「いや、思ったな。鼻の穴が膨らんだ」

キャッと慌てて鼻を抑えると、ケラケラと副社長は笑う。

「またバカにして」

どうあっても説明させるつもりらしく、腕を離したあとも彼はその場を動かない。

そういえば鰻の礼を言うことを忘れていたと思い出したが、今更言う気にもならないし、絶対にお礼なんて言うもんかと思いつつ、叶星は心の中で思い切り舌を出して、あきらめた。

反抗する度に、ますます面倒くさくなるのは目に見えている。