東堂副社長の、厳しすぎる初恋 +7/18

お金を手にしてから様々なことに関して考え方も変わったが、それは結婚についても言えることだった。

以前の叶星は違った。
できれば早く結婚したいと思っていた。

なぜそう思ったのか振り返ってみても、よくわからない。

ひとりが寂しかったのか。
愛する誰かと一緒ならどんな時代になっても乗り越えていけると思ったのか。

多分なにかが不安だったのだと思う。
見えない何かが。

宝くじの当選と同時に、その何かが消えたのか。
いまは隠れているだけなのかは、わからないが、とにかく結婚への興味はなくなった。

でも恋は別。
一時の恋でいい。燃えるような恋をしたい。

身を焦がすような恋を。

もし、恋もできずにひとりが寂しくなったら、その時は。

――ジュンくんみたいに可愛い下僕がいたら、人生バラ色だろう。

想像だけでうっとりしたが、「じゃ、がんばってくださいね」と素気無くジュンくんは行ってしまった。