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――さて、今日のランチは何にしよ。
ルンルンと胸躍らせながら叶星は通りへ出た。
『西ノ宮さんありがとう。この前の撮影の件だが、野呂のミスをよくフォローしてくれたね。君の素早い対応のお陰で助かった』
なにがどうなったのかはわからないが、部長に労われた。
何故黙っていたかのと聞かれ、野呂から指示をしたはずだと言われた旨を正直に伝えたが、部長は『野呂の勘違いだろう』と言ってくれた。
とにかく責任を取らされることも、クビになることもない。
――バンザーイ!
ということで、今日はお祝いである。
ランチは豪華にしようと決めた。
『兎う堂』には社員食堂があるので、外に食べに行く人は少ない。なので、目立たない路地裏に入れば人目を気にすることも無く贅沢もし放題である。
ふと目に留まった『うなぎ』の文字。
よし、今日は特上のうなぎだ。と叶星は路地に入っていった。



