「はっっくしょん!! 」

とある、高校の保健室に、大きなくしゃみがこだまする。

( あれ?なんか夢見てたけど?なんの夢だったったっけ?? )

( 白い肌に、青い瞳、銀色の髪の色が…。とても綺麗で…。印象的だったな。)

( 夢なのに、とても悲しかった…。)

ガシャーッ!

いきなり、ベッドの仕切のカーテンが開き、馴染みの顔がこちらを伺っている。

「 風邪はまだまだ、これからが本番みたいだな!」

( そーだった!熱発して、保健室で休んでたんだ! )

「 熱のせいか、ボーっとしてるな。先生は、お前だけは、早退していいってさ。」

「ぷっ!あはは!」

「 そりゃ、俺が風邪ひいてんだから、首席のお前が、早退しては、困るだろ?」

「ああ、そーいうわけだ。俺は帰れない。残念だ。」

少し残念そうな顔をして近くにある椅子に座りはじめた。

「残念でしたー!女子にモテモテの秀才は居残って、もっと勉学に励みなさーい。」

冗談めかして言うと、驚いた顔をして、くすり、と笑んだ。

「俺はモテない。でも、秀才では、ある。」

自信げに言う。

「 ははは!言うねー! 」

( なんで、こんな、自信家なヤツがモテるのか、始めはわからなかったが、仲良くなるにつれ納得した。)

( 何だかんだ、言っても蓮は、面倒見がいいんだ。イケメンでもあるし、頭も良くて運動神経も、抜群。)

( 自分が情けなくなってくる…。)

俺が落ち込んでいると。

「 悠真 」

真剣な眼差しで、名前を呼ばれた。
俺もなぜか周りの女子みたいに、ドキドキしてくる。

( それだけ、色男なんだな、なんで、俺なんかに構ってくれて、本当は、友達だなんて思ってなくてウザいと思っているんじゃないのか…。)

そう考えていると、思考を遮るかのように蓮が話す。

「大事な話がある。」

「大事な話…??」

心当たりは、今のところそれしかないが、突然言われると、心の準備が出来てなくて、だんだん不安になっていく。

「 実はだな、悠真。」

「 お前は、天使なんだよ。」

「!!! 」

「 はあああ???」

突然の言葉に、思わず大きな声で叫んでしまったが、頭の中が真っ白になり、それ以上は、思考が止まってしまった。