笑顔のキミを



会場は大人だらけだった。

わたしのような高校生はぽつりぽつり。

小さい子供もきっと表彰されている誰かの子供なんだろうなって。

それくらい大人たちばっかり。

こういうのは少し苦手。

できることなら早く帰りたいなあ。

そんなことを思いながら、彼の挨拶まで待った。


そして、あの挨拶。

鳴りやまない拍手。


後ろには、表彰された写真が飾ってあった。

でも遠くて見えない。

わたしはすぐにでも帰れるようにと思って一番後ろにいたから。


咲良あんなこといってしな。

せっかくだからみたい。

しかたない。あとでみにいくか。