パシャ 音がした。 シャッターを切った音が。 「凛斗!撮れたじゃん」 「先輩!やりましたね」 「お、押せた・・・」 嬉しそうにハイタッチしている2人をみながら、俺は床にへなへなと座り込む。 たった1枚撮るだけで、こんなにも神経を使うとは。 でも、撮れた。 咲良が死んでしまってから人を撮ることができなかった俺が、2年という月日を経て、はじめて撮れた。 咲良ではない、他の人を。