笑顔のキミを



藤森先生。

一応写真部の顧問をやってくれている。

でもこっちはおまけみたいなもの。

テニス部の顧問でもある藤森先生は、基本はこっちに顔をださない。


ただ鍵を閉めるときとか、たまにテニス部が休憩のときとか、ちらっと顔をみにきてくれる。



藤森先生にも感謝している。

こんな俺1人しかいない部活の顧問を引き受けてくれてることに。

ちゃんとほったらかさないで、気にしてくれることに。


「気を付けて帰れよ」

「はい。さよなら」


さっき屋上から眺めた景色はまだ明るさがあったのに、だいぶ暗くなった。


4月だからかまだ少し肌寒い。