「はい。先輩にお願いがあって」 「お願い?」 「はい!」 「なに?」 「わたしを撮ってくれませんか?」 目をキラキラさせながらそう問う千夏ちゃん。 「・・・ごめん、人は撮れないんだ」 でも、ごめん。 俺、人は撮れないんだ。 風景しか撮れない。 「・・・え、あ、そうなんですね?」 「うん、ごめん」 「わかりました!てか先輩今日謝りすぎですよ」 「そうだっけ?」 「はい。あ、じゃあわたし帰りますね!」 「うん。バイバイ」 「さよなら!」