「ナナに渡したいものがあってきた」

凛斗はそういうとかばんから紙をとりだした。


「高崎ナナ殿。あなたは忙しいながらもモデルの仕事と勉強に励みました。また病気と向き合いながら、部活にも必死で取り組みました。そしていま女優という新たな夢を叶えました。よってここにお疲れ様でした賞をおくります。令和2年3月7日、星光高校。神谷凛斗、佐々木千夏」


お疲れ様。その言葉とともに凛斗が卒業証書を渡すように両手でその紙を差し出した。


「・・・っ、ありがとう」

わたしも両手で受け取った。

ずるいよ。こんなの泣いちゃう。