「はい。暗い顔はここまでです。せっかく山梨まできたんですから楽しみましょ?ほらナナさんのほうもだいぶ人少なくなってきたみたいだし3人で回りましょ、そろそろお腹もすいてきたし藤森先生も待たせてるし」


まるでこの空気の重たさを断ち切るように早口でいいきった千夏ちゃん。

そのせいか少し息が切れている。


「だね、そうしよっか」


「凛斗先輩」

「ん?」

「これからもよろしくお願いします」

「うん。こちらこそよろしくね」

これまで通りなにも変わらず。


俺にはじめて告白してくれた女の子はいつも明るく元気で、年下なのに俺よりもずっと大人な千夏ちゃんだった。