「咲良も喜んでるさ。凛斗の撮る写真が大好きだったから」

「そうだと嬉しいです」

「まあ無理しない程度に頑張ってくれ。じゃあ俺たちそろそろいくけど凛斗はどうする?帰るなら送っていくけど」

「俺はもう少しここにいます」

「わかった。じゃあ気をつけてな」


おじさんおばさんの背を見送る。

残ろうと思ったのはもしかしたらナナがくるかもしれないと思ったから。


でもナナはこなかった。

まあ約束してたわけでもないし、もしかしたら仕事かもしれないし。

しかも会ったところで何を話すんだといわれたら何も思い浮かばない。


「またくるね」

咲良にそう告げ、俺も家へと帰った。