「あ、ごめんね。急に。呼び止めちゃって」 「いえ。全然大丈夫です」 「じゃあ、わたしそろそろいくね。またね」 「はい、また」 またね。 彼女はそういって俺に手を振ったけれど、またなんてきっとない。 そう思ったけれど、一応またと返した。 もしかしたらこのときから俺は予感していたのかもしれない。 彼女ともう一度会うかもしれないと。 そして、彼女と出会い、俺の人生はまた違った道へといくということを。