「お名前、聞いてもいいかな?」

「佐々木千夏です」

「千夏ちゃんか。可愛い名前だね。あのさ、こんなことお願いするものあれなんだけど・・・わたしが写真部に入ってることは黙っててくれないかな?」

「え?」

「変に人が押し寄せて凛斗や千夏ちゃんに迷惑かけたくないの」


本当はバレたくないだけなんだけど。

でもあながち嘘ではない。

「ああ、たしかにそうですよね。ナナさんがここにいるって知ったら一気にこの部活に人が殺到して怖そうですもんね。わかりました。秘密にしておきます!凛斗先輩と、ナナさんとわたしだけの、秘密ですね」

「うん、秘密。3人だけの、秘密」

千夏ちゃんがすごくいい子で安心した。