「ねえ、聞いてる?」 「あ、はい。写真撮るの、好きです」 あ、よかった。 やっと答えてくれた。 「やっぱり!写真っていいよねー!その人の表情がさ、コロコロ変わるの、その一瞬一瞬でさ、まったく違うものが撮れるんだもん。わたしは撮られる側だけど、やっぱり写真っていいなってすごく思う」 自分でもびっくりするくらい、すらすらと言葉がでた。 彼の人生を否定しないように、わたしはあなたの味方だよと伝えるのに必死で。