「生きることをやめないわ。あなたに今日を誇れるように……」

ローズは涙を拭い、お墓に向かって微笑む。始まりの終わりを子どもに伝えていくために、前を向くのだ。



「おめでとうございます！元気な女の子ですよ〜！！」

それから三ヶ月後、ローズは可愛らしい女の子を出産した。産まれたばかりの我が子をローズは抱き締め、「産まれてきてくれてありがとう。愛してるわ」と涙をこぼす。ここにステファンがいればどれほど幸せだっただろう。

女の子の名前はもう決めている。ステファンとローズが出会ったあの場所に咲いていた花の名前だ。あの花のように美しく、優しい人になってほしい。そんな願いを込めてつけた。きっと、ステファンがいても同じ名前をつけていただろう。

「あなたは私の宝物よ、ヴァイオレット」