「ローズ、君がこの手紙を読む時、俺は生きているのかどうかわからない。願いが叶うのならば、君のもとへ帰りたい。また「愛してる」と伝えたい。君に「ありがとう」や「愛してる」を伝えるだけで、この心は温もりに色付くんだ。

ローズと出会った時、この人と未来を作っていくんだと直感した。それから一緒に世界の文学を楽しんで、愛を伝えあって、本当に幸せだった。ローズとほんの一部でも人生を歩めたこと、心から感謝してる。

ローズ、君のお腹には俺の子どもがいるんだろ?病院からもらった紙を見つけてしまった。嬉しいな。俺も父親になれるんだ。この子とどんなことを話そう、どんな顔や声なんだろう、そればかり考えてる。だから、もしも俺が帰ってこられなくても前を向いてほしい。生きることをやめないでほしい。残してしまった子どものために生きてくれ。

心から、愛してる」


ローズの瞳から涙が流れていく。ローズは手紙を抱き締め、泣き続けた。そして何度も「私も、愛している」と呟く。その言葉は届かない。それでも、呟き続けた。