スミレ色の手紙〜未来につながる愛〜

密かに続いたローズとステファンの関係だったが、互いに学校を卒業した後は両親にこのことを話した。

スターチス家は名家の一つだったため、ローズが親に交際を反対されることはなかった。それはステファンも同じだったため、二人は胸を撫で下ろす。

「よかった……。認めてもらえないかと……」

そう呟くローズを優しくステファンが抱き締める。互いの鼓動が合わさった。

「本当によかったよ。……愛してる、ローズ」

「私も愛してるわ、ステファン」

二人は微笑み、キスを交わす。しかし世界の争いはひどくなっていくばかりだった。いつステファンが戦場に連れて行かれてもおかしくはない。

その不安をかき消すため、ローズとステファンはキスやハグを繰り返していた。そして、ステファンはローズの誕生日にバラの花束を手にして言ったのだ。

「結婚しよう、ローズ。戦争で不安な思いをさせてしまうかもしれない。でも、俺は君と未来を作っていきたいんだ。愛してる」