「ん? なにあれ」

校門に差し掛かったところで、人だかりができていた。

カメラをぶら下げた人達が群がっていて、先生達がそれを門で追い払っている。

「お帰りください、お願いします!」

「いいじゃないですか、10分だけ!」

「部外者は入らないでください!」

カメラを下げているのは記者の人達だろうか。


「なんだろ、事件?」

人混みの合間を縫ってなんとか校舎に入ると、今度は生徒達がざわざわ騒いでいた。

「どこの教室!?」

「3-2!」

「早く行こ!」

主に女の子が、学年問わず黄色い声をあげてはしゃいでいる。

「3年2組って……私のクラスじゃん!」

一体何があった!?

「すみません、通してくださーい! 」

急いで階段を駆け上がり、女の子たちに押し押されながら、やっと教室にたどり着いた。

ガラッと引き戸を開けると、そこには──。