これほど時計が嫌いになった日はなかった。

時間なんて過ぎなければいいのに

と、思っても時計の針は悲しいほど進んでいく。

帰らなきゃいけないのは分かってる。

でも、お母さんの側にいたかった。


「…お…え…えと…」


おええと。

他の誰にも分からない言葉。

私には分かったよ。




おめでと。



そう言いたかったんでしょ?